部長の船舶実習レポート

今回はコラムとして私部長が1ヶ月の短期乗船実習を終えたのでそこでの様子を書こうと思います。なお私の所属部は「神戸大学海事科学部」です。全く船に興味ない方でも「こんなことやってる学部あるんだ」くらいに見て行っていただけると嬉しいです。

私も乗る前いろいろ検索していったので乗船実習がある人は特に参考にしてもらえたら幸いです。

 

なおあくまで私自身が体験したものを感じたとおりに書いているので、捉え方に個人差があると思われますがそこはご了承ください。

そもそも船舶実習(乗船実習)とは??

基本的には「海技士免許」を取るために必要な「乗船期間」を確保するために行う実習のこと。

ただし、神大海事科学部や東京海洋大などに関しては海技士免許を取らない人でも必修単位だったりするので、船乗りにならないと心に決めてる人も乗船します。

 

今回は青雲丸(汽船)に1ヶ月乗船したのでそこでの生活などについてお伝えします。

 

停泊、仮泊中の1日の流れ

600  起床
635  朝の整列、体操、掃除
715  朝食

休憩

825  朝の整列2回目、午前課業はじめ

1100 午前課業やめ
1130 昼食

休憩

1255 昼の整列、体操
1600  午後課業やめ
1630 夕食(クソ早い)

休憩、たまに夕別課

1945 掃除
2000 巡検

休憩

2230 消灯

・・・・

朝6:00 起床

これは居室(6人部屋)のようす。初日の写真なので荷物もなにもありませんが・・ここで休憩したり遊んだり菓子パしたりします。起床時間は特に決まってませんが自分の部屋では6時おきでした。

6:35 後部甲板集合、体操、掃除

ここが後部甲板です。毎日全員整列し、人員確認してから「航訓体操」を行います。

航訓体操は練習船に乗ってる者のみが行う特殊な体操です・・・最初は覚えるのに苦労します。体操指導といって前に2人立って声だしもするのですがもし覚えて無くても青雲丸ではカンニングペーパーならぬカンニングボードがあるのでなんとか乗り切れます(笑)

なお、悪しき伝統の甲板流しというのもあります。これはヤシの実を半分に割ったものでみんなで「ワッショイ!ワッショイ!」と言ってこの木の板で敷き詰められた後部甲板を磨くものです。なぜデッキブラシでみがかないのか・・・?

7:15  朝食

写真ありませんがパン食ではなくごはんです。朝食に限らずパンは特例(ピザなど)を除き出ません。

僕はパンが食べた過ぎて陸上で食パンを買って船内で食べてました。

8:25  朝の整列2回目、午前課業はじめ

午前課業は日によって座学であったり、実習であったりします。実習ならば機関室に向かう場合「ヘルメット、安全靴、耳栓、軍手、トーチ、メモ帳筆記用具」が標準装備となります。

課業は11時まで!かなり長いように思いますが教官も人間、間に休みを設けてくれます。

最初はしんどかったですが徐々に慣れてきます。おそらく。

11:30 昼食

ちょっと早い気もするけど昼食!!たまにはうなぎ!!みたいな食事も出ます。

出てくるメニューはラーメン、皿うどん、かに、カレー、ステーキに至るまで多種多様です!まあまあおいしいです!

写真に出ている量はさほど多くはないのですが、基本的に量がえげつないです。毎回完食してたら確実に太るんじゃねえかと思うほど多いです。(というより食べきれない)

ですので多くの人は残します(ぇぇー)

嫌いな食べ物など出ようものなら問答無用で残します(ぇぇー)

もったいないよねーでも規則だから仕方ないねー

1130~1255 お昼休み

昼食ではたまにデザートが出たりします。そのデザートを居室に持って帰ってゆっくり食べるのもよし、食後すぐにボンク(ベッドのこと)でお昼寝するのもよし、友達とゲームするのもよし。僕は寝てました。

1255 昼の整列、体操

2回目の航訓体操。お昼寝後の体操はとても眠い。

午後課業についての説明後、すぐ場所に向かいます。

午後課業も基本的には午前と同じ。言うまでもないが座学はとても眠い

1630  夕食

夕食!早い!!陸地じゃまだお店開いてないところあるよ!!

しかし時間が決まっているのでおなかが空いてなくても食堂に向かいます。

昼食と同じく食べきれないほどの量のごはんが出ます。それはさておき、友達と話しながらや、テレビを見ながらわいわいして過ごします。

この時間は野球のデイゲームが終盤になっている時間帯なので、いい試合だったりするとみんなで夕食後も食堂のテレビを見たりします。広島優勝を決めた試合はナマで船上で見てました。テレビ見てた友達8割阪神ファンでしたが。

1630~1945 休憩タイム

長い!とにかく長い!夕別課といって短い授業がある場合もありますが僕たちの場合あまりありませんでした。

シャワーをあびたり、寝たり、ゲームしたり、沈む夕日を見てたそがれたり、筋トレしたり・・・

遊ぶことに飽きるほど時間があります。

最終的にはボンクに引きこもります(ぇぇー)

みんな課業で疲れてるからね!!仕方ないね!!

写真はパンとコーヒーを空き教室で飲もうとしているところ。

1945 掃除

完全に体はなまけモードに入っているところの掃除。各人員各所に割り当てられます。

手が抜けないんだな、これが。

たった15分ですがちょっと真面目に掃除します。

2000 巡検

「はい巡検!!」

保安のためらしいですがいわゆる「おそうじチェック」です。

教官が各所を順番に回り巡検を行います。

こんなふうにボンクが汚いとおこられますのでちゃんと整理しましょう。

2000~ 

巡検が済んだところから解散です。

巡検終了直後はシャワールーム、浴室が混むので、時間帯をずらすのが吉。

2230

消灯。次の日に向けて早めに就寝します。

・・・と言いたいところですが????

実際は多くの人が起きてます。僕はちょうど0時ごろに寝るのが多かったです。

起きていると言ってもたいていはボンクの中でスマホ見ている人が多い気もしますが。

よい子は早めに寝ようね!!

~1日終了~

 

~航海中の1日~

航海中は停泊中とガラリとやることが変わります。

航海中は24時間船の動向を監視、管理する必要があるのでたとえ深夜であろうと業務があります。

分かれ方として0~4直、4~8直、8~0直の3班に分かれます。例えば4~8直であれば午前4時~8時、午後4時~8時に持ち場につきます。なおその他の時間は基本自由です。大体寝てますが。

それゆえ、睡眠時間帯が当直時間帯に大きく支配されます。私は0~4直につくことは無かったのですが、本来寝ている時間帯と当直がモロ被りするので今が朝なのか夜なのか分からなくなるらしいです。慣れれば楽勝らしい。

超ざっくりやることを言うと航海当直は「見張り&操舵」、機関当直は「機関室&制御室の見回りと操作」です。

航海中もごはんはきちんと3食時間通りに出ます。

違う点と言えば夜食としてカップラーメンが出ます。おいしい。

なお巡検はありません。掃除しなくなるので部屋が汚くなるのはご愛嬌。

 

・その他はじめて乗船実習をする人にむけて

・ハンガーは必須、しかし針金はNG

・上陸時は正服なので、カッターの替えがあるといい

・カルピスやスポーツドリンクの粉はかなり使える

・靴下はくるぶしが隠れるもので

・冷蔵庫、熱湯、冷水、氷はあります

 

~まとめ~

集団生活も含め慣れないことばかりの実習でしたが、実習内容の習得だけでなく仲間との団結力も養うことができたのでとてもためになる実習となりました。

最初は「30泊31日」と考えるとキツかったですがいざ終わってみるといい経験でした。

 

ここまで読んでくださりありがとうございました。この記事をみて海事科学部に興味が出てきた人がもし1人でもいればとても嬉しいです!もし勉強のサポートが必要になった場合はぜひ「神戸大学家庭教師会ファイト」を有効活用してくださいね!!!

 

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